こんにちは。愛知県大治町でガジュマルcafeというカフェをやっている堀田です。

お客様やスタッフから、いちばんよく聞かれるのがこれです。

「家で鶏もも肉を焼くと、皮がベチャッとなる」

わかります。僕も昔そうでした。 でもこれ、センスでも火力でもありません。大事なのはたった2つです。今日はそれだけ持ち帰ってもらえたら十分です。

先に結論:この2つだけ

  1. 皮の水分を、これでもかというほど拭く
  2. 弱火でじっくり。皮面で7割、火を入れる

以上です。ひっくり返すのは最後の1回だけ。むずかしい工程はひとつもありません。

なぜ皮がパリッとしないのか

皮がベチャつく原因は、たったふたつです。

ひとつめは、水。 皮の表面に水分が残っていると、フライパンの熱はまずその水を蒸発させることに使われます。水が飛びきるまで皮の温度は100℃前後から上がらないので、「焼く」ではなく「蒸す」になる。だから白っぽく、ぶよぶよのまま仕上がります。

ふたつめは、脂。 鶏の皮の裏には、けっこうな量の脂がついています。この脂がじわじわ溶け出してくると、皮は自分から出た脂で揚がっていく状態になります。これがパリパリの正体です。

つまりやることは、「水を飛ばして、脂を出しきる」。この2つだけです。

用意するもの

  • 鶏もも肉 1枚(250〜300gくらい)
  • 塩 肉の重さの1%弱(300gなら2.5gくらい/小さじ1/2弱)
  • こしょう 適量
  • サラダ油 小さじ1程度
  • フライパン(フッ素樹脂加工でも鉄でもOK)
  • キッチンペーパー
  • 重し(同じくらいの大きさの小鍋、耐熱皿、アルミホイルで包んだ皿など)

油は最低限だけひきます。理由は2つあって、ひとつはくっつき防止。もうひとつが大事で、呼び油です。少量の油があると、そこを起点にして鶏の脂が溶け出しやすくなります。「脂を出すために、油を入れる」という感覚です。

焼き方

1. 冷蔵庫から出して、水分を拭く

焼く20〜30分前に冷蔵庫から出しておきます。キンキンに冷えたまま焼くと、中心に火が入るころには皮が焦げすぎてしまうからです。

そしてキッチンペーパーで、皮の表面を押さえるように、しつこく拭きます。 「もう乾いてるでしょ」と思ってからもう一回。ここが一番の分かれ道です。

時間に余裕があれば、キッチンペーパーで包んで冷蔵庫に30分〜1時間ほど置いておくと、さらに皮が乾いてパリッと仕上がります。前の晩に仕込んでおくのが理想です。

2. 厚みをそろえて、筋を切る

身の分厚いところに包丁を寝かせて入れ、観音開きのように開いて厚みを均一にします。白い筋があれば数か所、包丁の先で切っておきます。

皮は指で軽く引っぱって、身の上に平らに広げておきます。

3. 塩をふる

焼く直前に、皮目に塩をふります。身側にも軽く。こしょうは焦げやすいので、僕は焼き上がりにかけています。

4. フライパンを温めて、油をひく

フライパンはちゃんと温めてください。 冷たいフライパンに油をひいても、油が広がらないので意味がありません。温めてから油を入れて、フライパン全体に薄く広げます。

そこに、皮目を下にして肉を置きます。

5. 最初に、平らに押さえる

熱いフライパンに入れるので、皮は当然ちょっと縮みます。でも置いた直後に、フライ返しや重しで平らになるように押さえてやれば、まず問題ありません。 ここで皮全体をフライパンに密着させておくのが大事です。

6. 弱火でじっくり。とにかく放置

ここが本番です。火加減は弱火〜弱めの中火。 強火は論外です。

そして、触らない。 動かすたびに温度が下がり、皮とフライパンの間に隙間ができます。皮目がパリッとするまで、ひたすら放置します。

ひっくり返すタイミングの目安は、肉の側面です。 焼き続けていると、側面がだんだん白っぽく変わってきます。生の色が下から上へ抜けてきたら、返しどきのサインのひとつです。

このとき頭に置いておいてほしいのが、火の入れ方の配分です。

工程 割合
皮目を焼く 7割
返して身側を焼く 1割
焼いたあと休ませる(余熱) 2割

7割を皮目で入れるわけですから、当然、時間はかかります。だからこそ火加減は弱火一択なんです。強火だと、7割入る前に皮が黒くなります。

(どうしても急いでいるときは、この限りではありません。ただ、時間があるなら弱火が確実です)

7. 返して短時間。あとは余熱

ひっくり返したら、身側はさっとで十分です。もう火はほとんど通っています。

焼けたら皮目を上にして、まな板の上で3分ほど休ませます。 残りの2割はここで入ります。肉汁も落ち着いて、切ったときに流れ出さなくなります。

皿に置くときも必ず皮目を上に。下にすると、皿にたまった蒸気で、せっかくの皮がすぐ湿ってしまいます。

包丁を入れたとき「パリッ」と音がしたら成功です。

よくある失敗3つ

火が強すぎる 皮が黒くなるのに中が生、というのはたいていこれです。皮目で7割入れるには時間がかかります。弱火で、待つ。

皮の水分を拭いていない 拭いたつもりで足りていないことが本当に多いです。しつこいくらいでちょうどいい。

焼きながら何度も動かす/早く返す 気になる気持ちはよくわかりますが、置いたら放置。側面が白っぽくなるまでは我慢です。

出てきた脂は、捨てないでください

焼いているとフライパンに脂がどんどん出てきますが、これは拭き取らなくて大丈夫です。

脂は旨みです。 捨てたらもったいない。

ソースを作るなら、この脂が調味料そのものになります。フライパンに残った脂に醤油やバターを落とすだけで、鶏の旨みが全部入ったソースになります。

ワンパンパスタなら、なおさらです。この脂がそのままパスタに移っていきます。 別のフライパンで作るのではなく、鶏を焼いたフライパンでそのまま作ってください。旨みの量がまるで変わります。

きのこや季節の野菜を、この脂でさっと炒めて付け合わせにするのもおすすめです。


ガジュマルcafeでは、こうした「家でもできるひと手間」を大事にしながら、月替わりのランチや自家製パン、手作りのデザートをご用意しています。

キッズスペースもありますので、お子様と一緒にゆっくり過ごしていただけます。愛知県海部郡大治町、近くにお越しの際はぜひお立ち寄りください。